2023/6/4

小説の中の小説に焦がれる


作中作のある小説が好きだ。

小説の中にマトリョーシカのようにまたお話が入っているのが、なんとも贅沢な気分にさせてくれるのだが、作中作は大抵の小説ではさわりだけしか書かれていなかったり、きちんと最後まで書かれていないことも多く、もやっとすることも多い。

15年をかけて書籍化された恩田陸の新刊「鈍色幻視行」の中にも、映像化を試みようとするたびに関係者が死亡して作品が完成まで至らず、「呪われた作品」として描かれる小説が登場する。

読みたい。

これは普通に小説として読みたい!!

そんな読者の飢餓に応えるべく、その「夜果つるところ」が6月26日に、本編から一か月遅れでなんときちんと一冊の本として発売されるのだ。

「鈍色幻視行」をまずは読んで、作中作への思いを膨らませてから、ぜひ、そちらも読んでいただきたい。

 

 

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